6月中旬、南区簾舞、今村哲平さん(南地区組合員)の八剣山を望む圃場で、手押し式播種機を使って小松菜の種まきが行なわれていた。一定の間隔で曲がることなく真っすぐに並ぶ畝が美しい。測らず、何度も往復して畝を作るというから、その熟練の技に驚く。
この日、今村さんがまいていたのは「春のセンバツ」。株のまとまりや収穫の効率が良く、5年前から生産を続けている。種まきから40日前後で収穫、繁忙期は1日3千袋を出荷する。
「露地栽培で、天候に左右されるなか、高さを30~35㎝に揃えて出荷するのは大変です」
作業場では、今村さんの奥さんとお母さんが、収穫した小松菜を手際よく袋詰めして梱包している。さらに、とれたてっこ南やスーパーに並ぶ小松菜の袋は弟さんがデザインを担当。家族みんなで農業を支えている。
今村さんご夫婦は、食育活動にも意欲的だ。「今年は簾舞小学校の3年生が、社会科の授業で収穫体験にきてくれました。肥料の重さを体感してから、肥料まきや畑おこしの実演。育てる過程のお話を聞いてもらって、最後に一人ひとり自分で収穫した小松菜を袋詰め体験。子どもたちの反応を見るのが楽しくて。授業がきっかけで農業に興味を持って、就農する子が現れてくれたら…嬉しいですね」優しい笑顔でお二人が話してくれた。