篠路町福移、酪農団地の一角。萩中昭夫さん(新琴似地区組合員)親子が経営する萩中牧場は、搾乳牛38頭、育成牛35頭のホルスタインを飼育する。
一日の作業は清掃から始まり、ベッドメイキングに給餌、搾乳、哺乳を早朝と晩の2回、息子さんと二人で行なう。「最近は息子に大部分を任せているから太ってきたよ」と笑う姿からは、息子さんが牧場を継いでくれた喜びが伝わってくる。
「良い生乳を作るには、良質な飼料が大切。酪農も餌を作る土が大切なんだよ。牛は美味しい草しか食べないし、とても綺麗好き。乾いたフカフカな寝床を選んで寝ているよ。贅沢だよね(笑)」
牧草は刈り入れが遅れると固くなり牛が食べなくなるため、早刈りして牛好みの柔らかい牧草を与える。牛のことを一番に考えた餌と清潔さがおいしい牛乳の秘訣だ。
この1月、萩中さんは、良質な粗飼料・生乳の生産を長年続けてきたことが評価され札幌市優良農業者表彰を受賞した。
「地道に続けてきた事が評価され、また頑張ろうと思えた。餌や燃料が高い上に牛乳が余る懸念もあって今は我慢の時だけど、毎日仕事ができる事に幸せを感じているよ。牛乳は今が旬。牛の食欲が旺盛な冬は乳質が良く濃い牛乳だから、たくさん飲んでもらいたいな」
夏の牛乳の乳脂肪分は平均3・8%だが、冬は4・2%まで上昇。萩中牧場の牛乳はさらに高い4・5%にもなるそうだ。一年の中で最も栄養豊富でコクのある牛乳が飲める冬。牛たちに感謝していただこう、「もう一杯!」。