Q.農業を始めたきっかけと現在は?
祖父が明治30年頃に阿波(徳島県)から入植し、父親は当時8歳だった。親世代は畜産をやっていて牛や馬を飼っていた。自分は9人兄弟の末っ子。兄弟は何かしら農業に携わっていて自分も自然と農業を始めた・・・そんな時代だったね。
昭和30年に結婚して所帯を持って、初めは稲作から始めて、なたね、亜麻(当時は縄の材料になったもの)を作ったね。年々田んぼを増やして畑作もやって、麦、牧草なんかを8町五反くらい作ったよ。今は牧草を甥っ子に任せて、トウキビやら何やらをとれのさとに出荷したり。畑の一部は家庭菜園として貸していて畑をおこしてあげて、何か聞かれたら教えてあげたりね。
Q.思い出のエピソードはありますか?
京子さん:苦労も沢山したよ。戦後は男手が無くて母子家庭だから、小学4年生から手伝いに行かされたもんだよ。でも大人並みに田植えをしたから重宝がられたね。
靜雄さん:若い頃は無我夢中で働いてばかりで趣味といえることが無いんだよなぁ。年を重ねてからやっと旅行とかに行けるようになったね。中国・香港・バンコク・オーストラリア・グアム・フィリピン、海外にも沢山行ったよ。
Q.お二人の出会いは?
若い頃、青年団の演芸会でよく会っていて、お互いになんとなく気になっていたんだけど、間を取り持ってくれる人が居てね。縁が有ったという事なんだべかな。子どもは男の子が3人、今は孫が4人いるよ。
Q.農業をやっていて嬉しかったことは?
とれのさとに出荷したホウレン草を買ったお客さんから明日も出荷するかと訊かれてね、身も厚くて他で買うのと全然違うし美味しかったと言われて…遠くからわざわざ買いに来てくれる人も居るし、それが励みになるんだわ。
☆取材エピソード☆
【仲良しの秘訣】
仲睦まじいお二人に仲良しの秘訣を尋ねると、照れからかすぐには答えてもらえませんでしたが、最後にポツリ
「思いやりかな?」と。お二人の姿からそれぞれが相手を気遣い大切にするのが一番と伝わってきました。
【元気の源】
いつも元気いっぱいの京子さんに元気の源を尋ねると、「みんなに聞かれるわぁ」とニコニコ。温泉も楽しみの一つだし、週に2回、生振ふれあい研修センターで仲間と卓球や麻雀をして身体も頭も使ってとても楽しいのだそう。でもお客さまの声が何より張り合いになるとのことです。